取引先企業の慶事に際して贈る胡蝶蘭の一般的な値段について、調査データやウェブ上の情報、当園の販売実績などを加味した相場を紹介します。結論としては、一般的な取引先には3万円の胡蝶蘭、重要な取引先には5万円以上の胡蝶蘭を贈るのが相場であるようです。
中小企業が取引先の慶事に贈った祝品の金額
日本実業出版社が刊行している書籍「役員報酬・賞与・退職金・各種手当て 中小企業の支給相場 2023年版1」によれば、中小企業が取引先の慶事に際して贈った祝品の金額は下表のようになっています。最多回答額を参考にするなら、中小企業が取引先へのお祝いで贈る祝品の金額は、どのようなお祝いでも3万円が相場、と読み取ることができます。
最多回答額 | 中央額 | 最高額 | 最低額 | 平均額 | |
---|---|---|---|---|---|
創業記念(周年)行事 | 30,000円 | 30,000円 | 100,000円 | 10,000円 | 29,094円 |
新社屋・新工場の完成 | 30,000円 | 30,000円 | 40,000円 | 10,000円 | 28,575円 |
支店・店舗等の開設 | 30,000円 | 20,000円 | 30,000円 | 10,000円 | 24,692円 |
新社長就任 | 30,000円 | 30,000円 | 100,000円 | 10,000円 | 28,214円 |
親しい関係者の叙勲 | 30,000円 | 30,000円 | 100,000円 | 10,000円 | 28,474円 |
少し詳しく見ていくと、中央額では「支店・店舗等の開設」だけが2万円と、他の項目の3万円よりも低くなっています。また平均額でも「支店・店舗等の開設」だけは、他が3万円近い金額になっているのに対して一段低く、2万5千円程度となっています。
また最高額は「創業記念(周年)行事」、「新社長就任」、「親しい関係者の叙勲」で10万円となっていますが、「新社屋・新工場の完成」は4万円と低く、「支店・店舗等の開設」ではさらに低い3万円となっています。
祝品のほとんどすべては胡蝶蘭
上記の書籍によれば、取引先の慶事が何であれ、祝品のほとんどすべてが胡蝶蘭だそうです。つまり前出の表は胡蝶蘭の相場金額と読み替えることができます。なお祝品として胡蝶蘭が選ばれる理由は、同書によれば次のようなものだそうです。
ちなみに祝品に胡蝶蘭が好まれるのは、花言葉が「幸福が飛んでくる」であるほか、長持ちし、花粉や香りが少なく、長期間オフィスに置いておいても業務の邪魔にならないことが理由。
「役員報酬・賞与・退職金・各種手当て 中小企業の支給相場 2023年版」日本実業出版社
このうち「長持ちする」という点は、贈る側にとっても大きなメリットです。胡蝶蘭は贈り主の記名入りの立札を添えて飾られますので、贈り先やその来客に対して関係をアピールします。花持ちがよく1〜3ヵ月ほども開花期が続く胡蝶蘭は、それだけ長い期間にわたって関係をアピールできる可能性があり、他の贈り物よりもコストパフォーマンスに優れているためです。
他のお祝いのシーンの相場金額を考察
前出の書籍「役員報酬・賞与・退職金・各種手当て 中小企業の支給相場 2023年版」に掲載されていたお祝いのシーンは前出の通りですが、取引先に祝品を届ける企業のお祝いごとは他にも多数あります。それらについて、前出のお祝いのシーンの相場を参考にしながら、また、ウェブ上で相場として紹介されている金額も参考にしながら、各お祝いで贈る胡蝶蘭の相場金額を一覧にしました。
お祝いのシーン | 一般的な取引先 | 重要または将来性のある取引先 |
---|---|---|
社長や会長の就任祝い | 30,000円 | 50,000円以上 |
オフィスの増床移転祝い | 30,000円 | 50,000円以上 |
周年祝い | 30,000円 | 50,000円以上 |
開店祝い | 30,000円 | 50,000円 |
開業祝い | 30,000円 | 50,000円 |
支店や店舗の開設祝い | 30,000円 | 50,000円 |
竣工祝い・落成祝い | 30,000円 | 50,000円 |
開院祝い | 30,000円 | 50,000円 |
叙勲祝い | 30,000円 | 50,000円 |
上場祝い | 50,000円 | 50,000円以上 |
当選祝い | 50,000円 | 50,000円以上 |
新築祝い | 20,000円 | 30,000円 |
上表は当園の売れ筋の一番人気が33,000円の3本立ち白42輪であることと、二番人気が55,000円の5本立ち白70輪であることと整合します。3万円を基準に、大切な取引先や将来に期待する取引先には5万円の胡蝶蘭を贈るようにすれば、まず間違いのない選択であるといえそうです。
なお、会社の慶事というよりは個人の慶事である叙勲祝い(取引先のどなたかが勲章や褒章を授かる)や新築祝い(取引先のどなたかが住居を新築される)では、個人宛ということでわずかに金額が下がる傾向があります。あまりにも豪華すぎるものは贈らないほうが無難であるかもしれません。
まとめ
日本実業出版社による調査をはじめとする各種の情報源から、取引先へのお祝い花として胡蝶蘭を贈るときの相場となる金額は3万円が基準であり、重要な取引先には5万円以上の胡蝶蘭を贈っていることがわかりました。これは当園における売れ筋とも一致しますので、このような選択をすれば間違いがないといえます。
なお、ここまで中小企業を例にお祝いで贈る胡蝶蘭の相場金額を見てきましたが、あくまでこれらは中小企業の場合であることに注意しましょう。上場企業やそれに準じる中堅や大企業の場合、贈り先で他社から贈られた胡蝶蘭と並んで飾られることを考えると、5万円を基準に、大切な取引先にはそれ以上、とすれば体面が保たれるものと思います。